ごあいさつ

 一般社団法人 強化プラスチック協会は「強化プラスチック産業一般に関する生産・技術等の調査、 研究および指導並びに普及などを行い、わが国の産業の発展に資すること」を目的に、 昭和30年(1955年)4月に発足いたしました。
 以来68年、強化プラスチック協会は、FRP業界の産業人、研究者、そしてユーザーが一体となって構成するユニークな組織として、 様々な事業を展開し、わが国のFRP産業の発展に寄与して参りました。 今やFRPは我が国の産業と生活のあらゆる分野に無くてはならない材料として定着しています。
 材料は産業の基礎であり、また産業の新展開は材料の革新を促進します。 この材料と産業の強い原動力の中で、FRP(Fiber Reinforced Plastics:繊維強化プラスチック)はガラス繊維強化熱硬化性プラスチックの枠を越えて、FRTP(Fiber Reinforced Thermoplastics:繊維強化熱可塑性プラスチック)や天然由来の樹脂・繊維、および、炭素繊維を中心としたACM(Advanced Composites Materials:先端複合材料)を包括する広い領域の工業材料として認知されるようになっています。
 現代の多様化する経済・技術環境の中で、 FRP業界が直面する課題はますます多岐にわたり複雑になっています。 新材料・新技術・新製品開発、市場開発、および、環境配慮・リサイクル、カーボンニュートラルなど、個々の企業だけでは解決することが困難な時代です。 業種を超えた連携こそが解決の道を拓く可能性を秘めているのです。 業界発展のため、当協会に課せられた使命は重大なものがあります。
 幸い、当協会には産・官・学の緊密なネットワークがあります。 このネットワークを通じて、情報を共有化しながらFRP産業の未来を拓くさまざまな事業を展開できます。 そしてそれはまた、直接に個々の企業への利益となってフィードバックされるのです。
 多くのFRP業界関係者が当協会の活動に参画され、 輝かしいFRP産業の発展のために、手を取り合って進むことを願って止みません。

            一般社団法人 強化プラスチック協会 会長 大塚 裕之